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ジェット三郎のよもやま雑感記「冬から春へ」

新波出版(にいはしゅっぱん)

テレビ業界でひっそり裏方稼業30年!
ジェット三郎が適当に呟くジェット三郎のよもやま雑感記「冬から春へ」

これを書いているのは、2022年2月16日。

暦の上では、すでに「春」になっているのだが、寒い季節がまだまだ続いている。
そしてこの時期、統計上では、4日~7日おきに雨や雪が降る傾向にあるようだ。
時に冷たい雨だったり、ドカ雪だったりするのだが、そんな雨や雪が止んだ後は
決まって体感温度が少し上がったように(つまり暖かく)感じるものである。

秋から冬の頃にも、やはり、一雨ごとに寒くなる時期が続く。
これを「一雨一度」という。
【ひとあめいちど】と読むのだが、文字通り、「一雨(ひとあめ)ごとに、気温が一度(いちど)下がる」現象を指す四字熟語である。

今の時期は、その「一雨一度」の【暖かくなるバージョン】とも言えるのだが、悲しいかな、この冬春バージョンを指し示すドンピシャな熟語が存在しない。

「いやいや、『三寒四温』があるじゃないか」と手を挙げたあなた、半分正解ですが、半分は間違いです。

そもそも「三寒四温」は、「(中国東北部や朝鮮半島の)冬シーズンに、寒い日が3日続くと、そのあと、比較的暖かい日が4日続き、また寒い日が3日続く」という言葉であり、冬から春への季節の変わり目を指す言葉ではない。これは、中国東北部や朝鮮半島では、シベリア高気圧から吹き出す寒気が7日周期で強まったり弱まったりする傾向にある特性を言語化したものだった。

ところが、「三寒四温」という言葉が日本に入ってきた際、日本の真冬は、3日寒い日が続いた後も、ずっと寒いのである。一方で日本の場合は、真冬ではなく、冬から春の時期(つまり今頃)になると、移動性高気圧と低気圧が、ちょうど4日~7日周期で、交互に日本列島を訪れる。

特に、低気圧には、寒冷前線と温暖前線があり、寒冷前線が通過すると気温が下がり(三寒)、その後、温暖前線が通過すると気温が上がる(四温)こともあって、「三寒四温」の文字ずらを見た人の中で、算数的足し算で判断した昔の人が、「マイナス3プラス4だから、1週間ごとに1プラス、つまり気温上昇していく」と解釈し、「冬から春にかけて、3日寒い日が続いた後、4日暖かい日が続き、気がつくと、気温が1度上がる。そうやって、繰り返し繰り返し徐々に気温が上昇し、春に近づいていく」という誤用がまかり通るようになったのだという。

兎にも角にも、そういうことで、この時期(2月中旬~3月上旬)は、一雨(ひとあめ)ごとに暖かくなる。

寒いのが苦手な僕は、だから、この初春の雨が待ち遠しい。

とはいえ、暖かくなるのを実感するたびに、僕は必ず思い出す。
夏目漱石の「門」のラストを。

主人公・宗助の妻の御米が、「本当にありがたいわね。ようやくの事、春になって」と、長かった寒い冬が終わりを告げ、梅の花やウグイスの鳴き声などの春の兆しに素直に喜んでいると、そんな妻に対し、夫の宗助は縁側で足の爪を切りながら、
「しかしまたじき冬になるよ」と、身も蓋もない言葉で切り捨てる。

宗助の言葉は真実ではある。冬から春になるということは、半年後、秋から冬になるということでもある。でも、それを言っちゃあオシマイよ、的な言葉でもある。

小学生の頃、初めて「門」を読んだ時、この衝撃のラストのやり取りに、「宗助はなんて性格が悪い男なんだろう」と思ったものだ。そもそもコイツは、親友の妻を寝取ったヤツなのだ。悪いヤツが最初から最後まで悪いヤツとして描かれていると思い込み、それ以降、「門」は、漱石の作品群の中で、嫌いな作品ベスト3に常に入っていた。

ところが、高校生になったある時、なにかのきっかけで、「三四郎」「それから」「門」という、いわゆる「夏目漱石前期三部作」を通しで読む機会があり、その中で、宗助のことを誤解していたことに気づき、以来、大人になった後も、何度も何度も読み返すほど好きになった。

そしてその都度、このラストに、えもいわれぬ【感動】に似た感情を抱くようになった。(ついでに言うと、「三四郎」のラストの、『ストレイシープ(迷羊)ストレイシープ(迷羊)』でも、僕は似た感情を抱く)

なんだかとっちらかった文章になってしまったね。メンゴメンゴ。
話を戻して、まとめるとこういうことになる。

僕は、この時期(2月中旬~3月上旬)の雨が嫌いではない。なぜなら、その雨の後は、確実に暖かくなるから。でも、同時に僕は、夏目漱石の『門』のラストを思い出す。それは、主人公の「春になっても、どうせまた冬になるよ」と身も蓋もない言葉なのだが、小説のラストとしては最高のセリフであり、えもいわれぬ感動をもたらしてくれる。

ということである。

は~るよ来い!
は~やく来い!

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