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まいぷれ五・七・五

「無人駅句会」2023年12月だより

 2023年12月の「無人駅句会」は11名が参加しました。今回は東氏が選句した11句の俳句をご紹介いたします。

(撮影:和夫)

こんなにもさみしいと知る日向ぼこ      しづか

 今回の一番の人気句であったが、疑問符?。

 「日向ぼこ」は11月頃の「小春日和(―びより)」と違って、風のない冬の暖かい日だまりの中でじっと暖かさを感じていることだと思う。それは公園でも部屋の中であってもよい。この句、日だまりの中にいる自分が次第にナーバスになってきて、且つ感傷的になって感極まったのだ。「こんなにもさみしい」がそれだ。それが「日向ぼこ」というノスタルジックな季語に引きずられ、そこに読み手は落とされてしまった。「と知る」が、感情迸(ほとばし)る「こんなにもさみしい」の説明である事に気付かなかった。俳句は説明を嫌う。俳句は説明の部分を読み手に委ねているので、そこの一つの深読みから名句も生まれるのである。その説明の最たるものが形容詞である。この句の「さみしい」しかり、「美しい」「嬉しい」などの心情は言い過ぎとなり「読み」の多様性を与えなくなる。心情俳句を否定はしないが、この句、上五の「さみしい」を煽るように「こんなにも」を置いたのだから、「知る」などと謂わずに感情のままの表現がほしかった。季語「日向ぼこ」(冬)。

ゆらめきて過去美しや焚火燃ゆ        岡本亜蘇 

 これも人気句で、感傷的に「過去美しや」となり、「焚火燃ゆ」に感情を移入してしまったのか。だが「過去」が抽象に過ぎる。読み手に委ねられても困ってしまうし、その「過去」が「美し」と謂われてもまた困る。この「美し」は文語の形容詞で、作者の主観であり心情そのものだ。読み手に解釈の有無を謂わせない。また、「焚火」は揺らめくものだから、上五の「ゆらめき」はまずい。「焚火燃ゆ」の詩情も半減する。季語「焚火」(冬)。

訥々と語る友いて山眠る           和夫

 久し振りに会った友と茶房で珈琲を飲んでいるのだ。窓からは里山の景色が見える。山容は雑木山がすっかり裸木となって森閑としている。「山眠る」とはよく謂ったものである。

普段は口数の少ない友だが、ほっとしたのか訥々と話し始めたのだ。季語「山眠る」(冬)。

犬小屋に残ったリード雪催          日暮屋

 空は雪雲が広がってどんよりとしている。老衰か、愛犬が居なくなって幾日かが過ぎた。思い出すたびに哀しみが募る。犬小屋にはまだ愛犬の匂いが残っている。その臭いと共に愛犬の残像が過(よぎ)る。犬小屋にはリードが残ったままだ。季語「雪催」(冬)。

若き日の父たることも柿を喰ふ        岡本哲典

 柿はどうも奈良時代に中国からやってきたらしい。今では果物の種類も多く、柿には何処かノスタルジックさが付き纏(まと)う。僕も好きだし作者も好きなのだろうが、その食感は確かに昔日を思う。「若き日」には、父となった事も然ること乍(なが)ら、少年時代の日々も詰まっていると思うのだ。季語「柿」(秋)。

ポインセチアすっからかんの金曜日      河野けいこ

 悩み事など心配事が一気に解決、お陰で心はすっからかん。荒(すさ)んでいた気持ちも吹っ飛んだ金曜日だが、街に繰り出そうにも手持ちの金子もすっからかん。だがどうにかなるさ。もうすぐクリスマス、ポインセチアの赤が華やぐ。季語「ポインセチア」(冬)。

カレンダー最後の月の雪の街         東隆美

 月替わりのカレンダーの写真もとうとう12月になった。雪の街の写真だ。目映いばかりの雪の白さだ。月々とカレンダーを捲(めく)っていって最後の一枚となったのだ。この一年を静かに振り返っているのかもしれない。季語「雪」(冬)。

着膨れて北の土産を取りに来る        熊本妙子

 「着膨れ」には何処か懐かしい響きがある。昨今はあまり着膨れた姿を目にしないが、褞袍(どてら)まで着込んだ着膨れ姿はユーモラスでさえある。「北の土産」だから蟹を連想するが、その土産を取りに来た様子は微笑ましいかぎり。季語「着膨れ」(冬)。

寒北斗見失ってる橋の上           岡田敬子

 北斗七星はおおぐま座にある。北極星と違って北斗を見失う事は中々ないが、夜道を友との話に気を取られ、橋の上まで来た時に、認識していたはずの北斗を一瞬見失ったのだ。時間が経(た)てば星も移動してるから、「あれつ」と思ったのかも。しかし、冬の星座は綺麗だ。寒さが身に染むが見る価値はある。北斗の柄杓の端を五倍に延ばすと北極星(こぐま座の尻尾の先)を見つけられる。季語「寒北斗」(冬)。

寒灯や屋台に映る影二つ           曾田幸二

 蕎麦かおでんの屋台か、仕事帰りに上司とか同僚と立ち寄ったのだろう。寒々とした灯りが屋台の垂れ幕に二人の影を映し出す。二人の影が少し動く、辺りは全くの静寂である。屋台のオヤジは黙って燗を付けている。こんな寒い日は熱燗に限る。季語「寒灯」(冬)。

パン齧(かじ)る妻にも勤労感謝の日     東英幸

 朝食のパンを齧っている奥さんを見て、ふっと気づいてしまった。勤労感謝の日は労働に対する対価を得ている人たちばかりに在るのではないと謂う事に。奥さんの家での雑事(炊事・洗濯など)は大いなる労働である。堂々と勤労感謝の日を味わって貰いたい。主は妻に感謝を。季語「勤労感謝の日」(冬)。

(東英幸 記)

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松山と俳句(俳都松山俳句ポスト)

 

松山市ホームページ『俳都松山俳句ポスト』を参考にいたしました。

俳都松山俳句ポスト

俳句ポストは、昭和41年に子規・漱石・極堂生誕百年祭の記念事業の一つとして観光俳句を募集し、好評を得ました。
そこで、昭和43年5月に松山城長者平へ第1号の俳句ポストを設置し、第2号を同年9月に子規堂、昭和44年4月には道後温泉本館へと、年々俳句ポストを増やし、現在は主要観光地や道後温泉のホテル・旅館、路面電車や四国八十八箇所霊場のお寺など、80か所以上に設置しています。
平成22年からは、小説『坂の上の雲』ゆかりの県外の都市にも10か所以上設置しています。
また、平成24年4月から、海外第1号として欧州連合(EU)の首都ブリュッセルに、平成31年1月からは、台湾・台北市にも設置し、俳句文化の魅力をPRしています。
平成30年度に50周年を迎え、俳句ポストの名称を「俳都松山俳句ポスト」に変更したほか、選句の回数を四季に合わせて3か月に1回になりました。松山の俳句文化を春夏秋冬お楽しみいただけます。
お気軽に投句してください。

俳都松山俳句ポスト 市内設置場所⇒令和5年9月現在、87か所です。

※3ヶ月に1度開函され、松山の著名俳人により選出された句は、松山市ホームページ、愛媛新聞紙上、ポスター掲示により、発表されています。

想いをつなぐ『終活俳句』を募集しています!

一般社団法人終活サポート協会は、人生をよりよく生きるための『終活』をサポートするため、終活相談やオリジナルエンディングノート「ありがとうのことづて帖」の発行、終活セミナーなどの活動を行っています。

年3回発行中の機関誌『終活のススメ』では、終活について詠む「終活俳句」を掲載しています!

詳しい情報はコチラ→ 想いをつなぐ『終活俳句』募集


※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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