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「グイン・サーガ」作:栗本薫

正伝150巻の超絶長編小説。外伝も27巻あります。

グイン・サーガ

 

(早川書房「グインサーガ1 豹頭の仮面」の紹介文より引用)

中原の由緒正しき王国パロは、新興モンゴールの侵略の前に一夜にして滅び去った。王家の血をひくリンダとレムスの双子の姉弟は、ある力によって妖魔の跳梁する辺境の森に逃れた。だが追手の厳しい追及は、たちまち3人を窮地に追い込む。そのとき忽然とあらわれた豹頭人身の怪人・グインが二人を救い出すのだった! 壮大な構想のもとに繰り広げられる絢爛たるドラマの開幕!

 

https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0000610001/

 

※この記事は2026年6月の情報です。

今回の紹介者

 

まいぷれ編集部J。思い起こせば子供のころから、読みかけの本がかばんに入っている人生でした。最近は持ち歩かなくなりましたが。お風呂入りながら文庫本読むのが好きです。

ギネスに載っている「最も長い小説」は

 

世界で一番長い小説としてギネスに載っている小説は、フランスの作家マルセル・プルーストが執筆した『失われた時を求めて』です。
400字詰め原稿用紙で約1万枚になるそうです。

 

しかし、日本にはもっと長い小説があるのをご存じですか。

 

ひとりの作者が描いた正伝と外伝は152冊。(正伝130冊+外伝22冊)

 

漫画では100巻を超える長編ものもありますが、小説ではなかなかお目にかかれないボリュームです。

先述の原稿用紙に換算すれば、約5万3000枚~6万枚になるそうです。書きも書いたり、ですよね。

 

この作品の名は「グイン・サーガ」作者は栗本薫さんです。

 

もちろん、2004年にギネスに申請したのですが、「1冊にまとめられた作品ではない(シリーズものである)」などの理由から却下されたそうです。

長い長い物語。第1巻の刊行は1979年1月でした。

 

「グイン・サーガ」のジャンルは、ヒロイック・ファンタジーという部類になるそう。

ヒロイック・ファンタジーとは、魔法などが存在する空想世界を舞台にした冒険物語、というジャンルです。

 

主人公であるグインは豹の頭を持つ戦士です。体は人間、頭は豹。ここからしてファンタジーっぽいですね。


なぜ自分が豹頭なのか、グインにはわかりません。読者にもわかりません。グインはすべての記憶がないままに、物語に登場します。

物語が進んでいくと、その謎も少しずつ明かされるのですが、それがかなり後の巻ですから、気が遠くなるくらい長いあいだ、謎は謎のままです。

 

記憶を失って辺境の地に生まれ落ちるように現れた主人公グインが、逃亡する王国の王女と王子を守って冒険する、というファンタジーの王道のような始まりです。

こんなに長い物語が今なお愛されているのは、やはり栗本さんの書くキャラクターの秀逸さと、世界観の広さにあるのではないかと思います。
そして、登場人物一人ひとりに人生があり、その歩みをたどっていくような読み応えがあるからこそ、長く愛され続けているのだと思います。

 

特筆すべきはやっぱり主人公グイン。

グインは、まさに安定のヒーローです。
グインがいれば、物語を安心して読み進められます。どんな窮地に陥っても切り抜けてくれる鋼の筋肉と精神力。ベスト・オブ・ヒーローです。頭はネコ科で、見た目も大変好ましいです。

人格者で、戦えばだれよりも強く、頭が豹でありながらすべての人に慕われる彼ですが、たった一つ、嫁運だけは最悪です。そこもまた、愛せます。
最悪と言っても、ただの恐妻家ではありません。栗本さんの描く女運の悪さは、他に類を見ないほどの極悪っぷりで気の毒になってきます。122巻や123巻あたりですので、気になる人はぜひ読んでみてください。

 

他にも才色兼備で無双するナリス、災いを呼ぶ男イシュト、王子なのに吟遊詩人マリウス、など、グイン以外にも語りたくなるキャラクターがたくさんいます。

 

Wikipediaに書いてある主要登場人物だけでも147人という超大作です。

 

1巻の発売は1979年9月といいますから、もう46年前。


一時期は「月刊グイン」とまで言われるハイペースで出版されていたこのシリーズも、作者の栗本薫さんの体調不良により、栗本さんによる物語は130巻で未完のまま終了となってしまいました。

 

ずっと小説100巻を目指すと言われて追い続けてきた読者も、ここまで見届けて未完のまま、と落胆しましたが、書ききれなかった作者の心残りもいかばかりかと思いますね。

 

その後プロジェクトが発足し、2013年11月からは後を引き継いだ作家さんたちが物語を紡いでいます。
最新刊は150巻(2025年5月発行)。まだまだ、物語は道半ば、ということです。

 

読むのにも相当の覚悟がいりますし、時間もたっぷり必要です。
でも、どこかにこんな世界がある、と思わせる説得力があります。

 

剣と魔法の世界でも、人の営みは変わらないです。陰謀や戦争、興亡の歴史が軸ではありますが、その陰にある、小さな幸せ、みたいなものも丁寧に丁寧に紡いでいる小説です。だからこの長さなんだ、とも言えます。

 

西条市立西条図書館には蔵書があるようです。ファンタジー物がお好きな方は、ぜひトライしてみてください。

西条市立西条図書館

図書館

蔵書は約40万冊! ゆったりと読書を楽しめる滞在型図書館です。

西条市大町1590

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