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【JR四国|予讃線】観光列車「伊予灘ものがたり」で行く八幡浜

JR四国が愛媛県内で運行する観光列車「伊予灘ものがたり」では、車内で食事を楽しみながら瀬戸内の海や山の景色も楽しめます。

※本記事の内容は、掲載当時の価格・情報となります。

※価格は税込表記です。

観光列車

JR四国

伊予灘ものがたり

下灘駅

瀬戸内海

2023年10月半ば。

JR四国が運行している観光列車「伊予灘ものがたり」に乗車してきました。

 

伊予灘ものがたりは、四国初の本格的な観光列車で2014年7月から運行されています。2021年末に車両の老朽化により一時運行を終了していましたが、その後新たな車両ができ、2022年4月から現在の車両で運行を再開しました。

 

今回は、この “新・伊予灘ものがたり” で行く松山市~八幡浜市までの列車観光をレポートします。

 

伊予灘ものがたり沿線の観光ポイントMAP

伊予灘ものがたりは、以下の4便で運行されています。

 

・大洲編(松山 → 伊予大洲)

・双海編(伊予大洲 → 松山)

・八幡浜編(松山 → 八幡浜)

・道後編(八幡浜 → 松山)

 

いずれも途中駅で "海の見える駅” として有名な下灘駅で10分程度の停車時間が設けられています。

今回は、午後から出発の「八幡浜編」に乗車してきたレポートになります。

 

13:10頃|JR松山駅へ

13:31発の時刻表に合わせ、少し早めに松山駅へやってきました。

伊予灘ものがたりもすでにホームに到着済み、乗車前の清掃作業や最後の点検に入っていました。

▲ 奥のホームに停車する「伊予灘ものがたり」

乗り場は3番ホームです。

改札を通ったら、歩道橋を渡って奥側へ行きます。

 

現在、松山駅は駅周辺を高架化する工事が行われており、ほぼ完成した高架の土台部分が見えてきています。来年度(2024年度)に完成予定で、バリアフリー化も進み、より利用しやすくなるそうです。

▲ 工事中の高架土台

▲ 伊予灘ものがたりは工事中の高架横に停車

▲ 今回乗車した先頭車両・1号車「茜の章」

今回は先頭の1号車「茜の章」に乗車しました。

テーブル席がメインの車両です。進行方向右手の座席が瀬戸内海側になるので、海の景色を堪能したい方は右側座席がおすすめ。山側になる座席も一段高いステップの上にあり、海側の景色が見えやすいよう配慮はされています。

 

列車は3号車まであり、最後尾の3号車「陽華の章」は、定員8名までの特別車両になります。

▲ 車内【1】海側は3~4人用のテーブル席。

▲ 車内【2】山側は2人用のテーブル席。

 

13:31|JR松山駅を出発

定刻通りに松山駅を出発!

最初の見どころポイントは、JR市坪駅近くの「坊っちゃんスタジアム」です。

 

四国では最大規模となる3万人を収容可能なスタジアムで、毎年プロ野球の公式戦も行われています。また、ヤクルトスワローズが秋季キャンプに使用している球場でもあります。

▲ 坊っちゃんスタジアム(市坪駅)

 

13:40頃|車内で食事(フレンチミニコース)

出発してから、約10分ほど過ぎたあたりで事前に予約していた車内ランチが運ばれてきました。

伊予灘ものがたりでは、各便で違った食事を楽しめるようになっており、今回乗車している八幡浜編では、レストラン門田(松山市)「門田フレンチ~伊予灘ミニコース~」が提供されています。

▲ 車内ランチ「秋人参のポタージュスープ」

まずは、スープから。

こちらは「秋人参のポタージュ」だそうです。

 

にんじんをポタージュにしたものは初めて飲みましたが、とてもおいしいスープでした。

 

揺れる車内でもこぼれにくいよう、少しもったりとしたとろみが強めで食べるスープという感じです。

▲ 車内ランチ「冷製料理」

こちらはコースのメイン部分である冷製料理です。

車内で食べやすいようお弁当のような形で出てきます。この日は、9月10月限定メニューで以下の内容になっていました。

 

・栗のムース

・クルミとクリームチーズの生ハム巻き

・サバのポワレ(柚子香るカボチャのピューレを添えて)

・海老とクネルのナンチュアソース

・門田特製ローストビーフ

▲ シェフのおすすめはこちらの「サバのポワレ」

▲ 厚みがあるのに柔らかい「特製ローストビーフ」

▲ デザート風の「栗のムース」

レストラン門田は、1993年創業の松山市では有名なフレンチレストランの1つです。

 

今回のコースでのシェフのおすすめは、カボチャのピューレをソースにして食べるサバのポワレ(表面をカリッと焼く調理法)だそうです。料理名にも「柚子香る」と名付けられている通り、柚子のいい香りがお魚にマッチしていました。

 

列車内のため、出来たてあつあつのお料理というわけにはいきませんが、どのメニューも冷めてもおいしく食べられる味や食感になっていました。

 

14:00頃|瀬戸内海が見える海岸線へ

食事の途中、伊予市駅を過ぎた後で列車は海岸周りの路線「愛ある伊予灘線」への分岐に入ります。

ちょうど天気も良く、穏やかな瀬戸内海の景色を眺めながらの食事となりました。

 

このあとに掲載する写真は窓越しに撮影したものですが、さすがは観光列車を銘打つだけあって、窓の掃除なども徹底されているようで雨汚れなどもなく、クリアな眺望となっています。

▲ 車窓から見える瀬戸内海。

▲ 海の景色はしばらく続きます。

▲ 途中の通過駅などで「おもてなしのお見送り」も。

こうした瀬戸内海の景色は、JR伊予長浜駅の辺りまで楽しむことができます。

途中、通過駅や沿線沿いで駅の方や地元の方が "おもてなし” としてお見送りをしてくれる場面があり、中にはたくさんのシャボン玉を飛ばして乗客を楽しませてくれる方たちもいました。

 

※お見送りがある場所では、車内のアテンダントさんがアナウンスしてくれます。

 

14:15頃|海の見える駅「下灘(しもなだ)駅」へ

出発から約50分ほど経った頃、列車はJR下灘駅に到着しました。

駅舎から見るとホームのすぐ隣に海があるように見えるあの駅です。青春18きっぷのポスターや、テレビドラマ『HERO』などのロケ地で使用され、今では全国的にも有名になっていますね。

 

列車はここで10分ほど停車するので、降りて駅からの景色を楽しんだり、記念撮影などが行なえます。

駅舎にホーム側から入れるトイレもありますが、男女とも個室は1つずつのようなので並んでいる場合は出発時間にご注意ください。トイレ自体は洋式できれいです。

▲ 下灘駅に停まる伊予灘ものがたり。

▲ 記念撮影を楽しむ乗客の皆さん。

▲ 列車の窓越しに向こうの海が見えます。

 

14:30頃|串の鉄橋(本村川橋梁)

下灘駅を出発してすぐに「串駅」があります。

停車はしませんが、実はここも海が見える駅です。駅舎もなく乗降客もかなり少ない無人駅ですが、知る人ぞ知る "秘境駅” といった雰囲気があります。

 

その串駅から少し西へ行ったところが本村川橋梁、通称・串の鉄橋です。

こちらは列車の中からは見えませんが、かなり高さのある鉄橋となっていて、高所から瀬戸内海と海の上を走る道路を見ることができます。

▲ 海の上を渡っている道路。

短いですが、動画バージョンもあります。

 

伊予灘ものがたりは、この鉄橋の上では徐行運転をします。

ここから少し離れた場所に行くと、瀬戸内海をバックに鉄橋の上を走る伊予灘ものがたりの姿を撮影できるので、鉄道写真が趣味の方にも人気のあるスポットとなっているようです。

 

14:40頃|列車は大洲市へ

串の鉄橋を通過した頃、ランチの最後の一品「里芋とベーコンのグラタン~バゲットを添えて~」が配膳されました。こちらは、温製料理となっていて、温かい状態での提供です。

▲ ランチ「里芋とベーコンのグラタン」

▲ グラタンはややスープ状でバゲットを浸す感じでした。

その後、列車は伊予市と大洲市の境界にまたがる駅「JR喜多灘駅」へ。

ホーム上に市の境界線が引かれているちょっと珍しい駅です。降車はできませんが、少し止まってくれるので窓からの撮影はできます。

 

ここからしばらく海沿いを走ったところで左にカーブし、肘川に沿う形で大洲市へと向かいます。

▲ 市境界にホームがある喜多灘駅。

15時12分にJR伊予大洲駅着。

大洲駅を出たら、進行方向左手側に大洲城が見えてきます。

 

最初にこの地にお城が築かれたのは、鎌倉時代末期の1331年と伝わっているそうです。

江戸時代に大規模修築がなされ、現在の形になりました。天守は老朽化や構造上の問題から復元されたものとなっていますが、櫓は江戸時代から残るものであり、国の重要文化財にも指定されています。

▲ 車窓から見える大洲城(写真右奥)

大洲城を過ぎてからは山間部に入っていきます。

八幡浜までの間には「夜昼トンネル」と呼ばれる全長約2.8kmの長いトンネルがあります。

 

夜昼トンネルを抜けるとJR千丈駅です。

この近くでは、ワンちゃんたちとその飼い主であるご夫婦がお見送りをしてくれるポイントがあります。乗車日が10月だったため、ハロウィンのかわいい仮装でお迎えしてくれました。

▲ 千丈駅過ぎでワンちゃんたちがお見送り。

▲ 他にも大漁旗でお見送りをしてくれる方々も。

 

15:50|終点「JR八幡浜駅」到着

伊予灘ものがたり【八幡浜編】の終点、JR八幡浜駅に着きました。

松山から約2時間半ほどの旅でしたが、食事をしつつ、アテンダントさんたちが案内する観光スポットなどを見ながらだと、意外とあっという間の時間です。

 

また、椅子の座り心地には特にこだわったそうで、実際にほぼ座りっぱなしの2時間になりますが、疲れるような感覚はほとんどありませんでした。

 

もちろん、その他の内装にも随所にこだわりが見られます。

席についたら天井の照明を見てください。実はこっそりと愛媛県を象徴する「みかん」の形をしています。全体的には和風が強めな和洋折衷デザインで、大正浪漫的な空間になっていると思いました。

▲ 車両内の照明、実は「みかん」の形をしています。

▲ 2号車の空席には「みきゃん」が座っていました。

車内の料理は2ヶ月ごとに入れ替わるようです。

2023年11月現在は、11月12月限定メニューが提供されています。

 

この時期は、沿線の山にところどころ紅葉も見られるようになってくるそうです。秋から冬にかけてのちょっとした日帰り旅行にいかがでしょうか?

 

★伊予灘ものがたり|公式サイト

 

※現在、2023年10月~2024年3月までの乗車リクエスト受付が行われています。

※乗車券発売は、乗車日1ヶ月前の10時からとなるため、リクエスト受付のみで乗車確約とはなりませんのでご注意ください。詳しくは、公式サイトでご確認ください。

 

▼▼ ちょっとだけ続きの番外編 ▼▼

番外編|JR八幡浜駅をちょっと散策

帰りは、八幡浜駅から通常の特急列車に乗ることにしていたので、それまでの小一時間ほど八幡浜駅と駅周辺を散策してみました。

▲ 駅入口でオレンジのポストを発見。

最初に見つけたのがこちら。

駅を出てすぐのところにオレンジ色のポストがありました。

 

ポストには「ダルメイン・世界マーマレードアワード&フェスティバル日本大会」と書いてあり、八幡浜市で開催されているマーマレードの世界大会を記念して設置されているポストとのことです。

 

オリジナル記念切手も発売されているそうです。

続いて見つけたのは駅内部の片隅。

どこかで見たことあるような「三本足の椅子」がいました。

▲ 三本足の椅子がいました! #八幡浜大洲の戸締まり

こちらは、今年の1月から開催中の「八幡浜・大洲の戸締まり」イベントのものです。

八幡浜市と大洲市の共同イベントになっており、2つの市の計18ヶ所に映画『すずめの戸締まり』に関連するオブジェとして椅子や映画に出てきた "あの扉” が設置されています。

 

『すずめの戸締まり』では前半部分に、主人公のすずめが訪れる場所として八幡浜市や大洲市の各所が描かれています。八幡浜駅のホームも映画にそのまま出てくるので、ぜひ映画のシーンと実際の風景を比べてみてくださいね。

 

★八幡浜・大洲の戸締まりイベント情報(Instagram)

 

※ちなみに、すずめが愛媛でとある女の子と出会うシーンで西条市も舞台になっているそうです。

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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