はじめに
令和8年西条市議会3月定例会の開会に当たり、私の所信の一端を申し述べ、議員各位、並びに市民の皆様のご理解とご協力をいただきたいと存じます。
国政においては、先般の衆議院議員総選挙による国民の審判を経て、民意を託された新体制の下で新年度のスタートを切ることとなりました。国内外に山積する諸課題に対し、新政権には、政治への信頼を確固たるものとした上で、日本経済を確かな成長軌道に乗せ、国民生活の基盤をより強固なものとすること、そして、激甚化する災害から国民の生命と財産を守る防災・減災対策を進めること、さらには、我が国の未来を支える持続可能な地域社会を築くことに対し、力強いリーダーシップを発揮されることが強く期待されます。国民生活の基盤となる経済を安定させ、一人ひとりが豊かさを実感できる社会を目指すという国全体の目標は、基礎自治体である私たちが目指す方向と同じであります。本市といたしましても、こうした国の新たな動向を注視しつつ、これまで以上に緊密な連携を図り、国の政策や財源を最大限に活用しながら、「安全・安心な暮らしに支えられた、健やかで幸せあふれる西条」を目指し、市民の皆様に大いに喜んでいただけるまちづくりを、一層力強く加速させてまいります。
本市を取り巻く社会情勢と課題
さて、私たちを取り巻く現況に目を向けますと、加速する人口減少、深刻な物価高騰、そして自然災害の脅威など、今の暮らしや未来への不安を抱かせる様々な課題が生じております。特に自然災害の脅威につきましては、近年の局地的大雨による被害に加えて、今後30年以内に60パーセントから90パーセント程度以上の確率での南海トラフ巨大地震の発生も危惧されております。このことから、自然災害への備えは、市政における最重要課題の一つであると認識しており、市民の皆様の生命と財産を断固として守り抜く覚悟を新たにしているところであります。
また、世界に目を向けますと、地政学的リスクの高まりは依然として国際情勢に影を落とし、グローバルなサプライチェーンの混乱も相まって、エネルギーや食料品などの価格を押し上げる影響が続いております。こうした世界情勢の荒波は、直接的に市民生活や市内事業者の経営を圧迫し、依然として予断を許さない状況にあります。
他方、我が国経済は、30年以上にわたる長いデフレからの完全脱却に向け、正に正念場を迎えております。緩やかな回復基調にあるものの、物価の上昇に賃金の伸びが追いついていない現状は、景気回復を実感する上での大きな課題となっております。特に、地域経済を支える存在である中小企業におきましては、原材料価格の高騰に加え、深刻な人手不足、そして円安の進行という、複合的な課題に直面し、極めて厳しい経営環境を強いられております。こうした状況を克服するため、物価高を上回る持続的な賃上げと、それを可能とする更なる生産性向上の実現に向けた経済対策が急務とされております。本市といたしましても、この国の動きと歩調を合わせ、物価高に苦しむ市民の皆様や、コスト上昇に直面する中小企業への支援策を、迅速かつ的確にお届けしてまいります。
未来へつなぐ西条の強み
このように、先行きが不透明な中ではありますが、本市においては、未来への希望を抱かせる明るい話題も生まれております。まず、昨年開催されました大阪・関西万博では、本市の誇るべき技術と文化が、国内外から訪れる多くの人々の注目を集めました。万博のシンボル「大屋根リング」には、本市の木材加工会社の高度な技術が集結しており、この度、その建材の一部が、本年5月に県内で開催されます第76回全国植樹祭の式典会場に、言わば「再生」される形で活用されることが決定いたしました。これは、本市企業の優れた木材加工技術と「森林資源の循環利用」という未来に向けた理念が全国に認められた証であります。また、同じく万博の県のブースでは、地元・小松高校の生徒たちが、国の重要無形民俗文化財に指定されている「石鎚黒茶」の製造技術とその魅力を堂々と発信してくれました。高校生による探究学習の成果が、本市の伝統文化の価値を全国に伝える大きな力となったことは、誠に喜ばしく、未来を担う世代の活躍に大きな希望を感じるものであります。
さらに、食の分野においても新たな挑戦が進められております。本市で陸上養殖するサーモンは、市民をはじめ多くの皆様からの公募・投票により「サイモン」と命名され、本市の新たな特産品として誕生いたしました。順調な生育を経て、昨年12月より販売が開始され、本市の食文化に新たな彩りを加える存在として注目されるとともに、ふるさと納税の返礼品としての活用にも期待が寄せられております。
これらの明るい話題は、先人たちの功績と市民の皆様や本市出身の方々が郷土に寄せる愛情と情熱、そして市内事業者や関係者のたゆまぬ努力の賜物であります。本市といたしましても、こうした素晴らしい動きを更に加速させ、市民一人ひとりが西条市に誇りを持ち、希望を持って豊かに暮らせるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。
住んでみたい、住み続けたい西条へ
その一方で、全国的な人口減少と少子高齢化の大きな潮流は、本市にとりましても待ったなしの局面にあります。新年度は、令和7年度からスタートいたしました「第3期西条市総合計画」の2年目を迎える年であります。本計画の推進に当たり、私たちは、本市の将来人口推計が示す厳しい現実に真正面から向き合わなければなりません。
このような状況の中、これまで本市では、子育て世代を主なターゲットとした移住・定住施策に力を注ぎ、人口減少のスピードを緩やかにすることに一定の成果を上げてまいりました。この流れを更に確かなものとし、未来にわたって活力ある地域社会を維持するため、引き続き若者世代が安心して結婚・出産・子育てを行うことができる環境を更に充実してまいります。これらの施策により、地元に愛着と希望を抱けるような魅力あるまちづくりを推進し、「住んでみたい、住み続けたい」と思っていただける地域づくりに全力を注いでまいります。
そして、こうしたまちづくりを更に確かなものとするために、令和8年度から20年間にわたる「西条市都市計画マスタープラン」及び「西条市立地適正化計画」の見直しも進めております。本計画は、人口が減少する中にあっても、市民生活に必要な医療、福祉、商業などの諸機能を主要な拠点に集約し、それらを公共交通で結ぶ「コンパクト・プラス・ネットワーク」の考え方を基本としており、これにより、将来にわたり都市の活力を維持し、誰もが安全・安心に暮らし続けられる持続可能なまちづくりの礎を築いてまいります。
市長就任後の主な取組と今後の展望
ここで、市長就任からのこの約一年三ヶ月を振り返りますと、私は、市民の皆様の暮らしをより良くするため、健康、教育、産業振興など、生活に身近な様々な施策に取り組んでまいりました。
健康の分野におきましては、市民の皆様が心身ともに健康で、幸せを実感できるまちづくりを目指し、令和7年度を「健幸元年」と位置付けました。そのキックオフイベントとして昨年8月に開催した「ふるさと西条・健幸フォーラム」には、約1,100名もの市民の皆様にご来場いただき、健康づくりへの関心の高さを改めて実感いたしました。慶應義塾大学病院の松本守雄病院長による特別講演や、本市にゆかりのあるテノール歌手、秋川雅史氏の心温まるコンサートなどを通じ、市民一丸となって健康づくりに取り組む機運を大きく高めることができたと、確かな手応えを感じております。また、市民一人ひとりの健康づくりを支える基盤として、市民の皆様の命を守る地域医療体制の充実は不可欠であることから、深刻な課題である医師不足の問題に対しましても、あらゆる対策により、今後も医師確保に向けた取組を全力で進めてまいります。
教育の分野におきましては、未来を担う子どもたちの教育環境の充実を喫緊の課題と位置付け、全力で取り組んでまいりました。とりわけ、持続可能な学校教育の実現に向けた最重要課題である小中学校の適正規模・適正配置につきましては、私自身も各地域に直接出向き、保護者や地域の皆様との懇談会を重ねてまいりました。懇談会では、学校への想いや将来への期待と不安など、多くの率直なご意見を伺うことができました。総合教育会議でも教育委員会とも協議を重ねてまいりましたが、子どもたちにとって最善の教育とは何かを、地域のご意見も踏まえながら、教育委員会と歩調を合わせ進めていきたいと考えております。また、昨年9月には、安全・安心で温かい給食を提供するための拠点として「西条市立東部学校給食センター(愛称:ひうちスマイルキッチン)」が新たにスタートするなど、ソフト・ハードの両面から教育基盤の充実に努めてまいりました。
産業振興の分野におきましては、地域の経済を活性化させ、活力あるまちづくりを進めるため、企業誘致に積極的に取り組みました。具体的には、丹原地区の野菜加工施設と西条地区のブラックバークペレット製造工場が、それぞれ今夏に竣工を予定しております。また、長年にわたり地域経済を牽引いただいている市内企業による大規模な設備投資が決定し、立地協定の締結に至るなど、既存産業の更なる発展に向けた基盤づくりが進みました。さらに、将来の先端成長産業を担う人材育成の観点から、半導体分野において中四国の拠点大学である広島大学と連携協定を締結し、市内企業の競争力強化や関連企業の誘致に向けた礎を築きました。これらに加え、現在も新規の誘致案件が進行しているほか、企業立地や設備投資への支援を通じて、生産活動の活性化と安定した雇用の確保に努め、地域の産業力向上に着実につなげてまいりました。
また、市民サービスの向上と利便性の確保も、暮らしやすさを実感していただくための重要な要素であります。その一環として、本年3月から、体育施設や文化施設などの公共施設予約システムを刷新し、キャッシュレス決済を導入いたします。これにより、市民の皆様は、24時間いつでもご自身のパソコンやスマートフォンからオンラインで利用申請ができるようになるとともに、クレジットカードやコンビニエンスストアでの支払も可能となります。こうした行政手続のデジタル化を推進し、市民の皆様の利便性を高めるまちづくりに引き続き努めてまいります。
以上のような諸施策に加え、市政の根幹であります市民の皆様の安全・安心な暮らしを守るため、防災・減災対策をより一層強化していくことが重要であると考えております。
先日、県から公表された南海トラフ巨大地震の新たな被害想定では、本市においては最大震度が7、津波浸水面積が3,392ヘクタールになるという結果が改めて示されました。私たちは常に「災害はいつ起こるかわからない」という強い意識を持って、万全の備えを構築していかなければなりません。こうした中、国においては、能登半島地震の教訓を踏まえ、災害対応の司令塔機能を担う「防災庁」を本年11月に設置する方向で調整を進めております。これは、地方自治体単独での対応には限界があるとの課題認識の下、国を挙げて防災体制を抜本的に強化しようという強い意志の表れであります。本市といたしましても、この国の大きな変革の動きと緊密に連携し、国の支援も最大限に活用しながら、市民の皆様とともに強靭なまちづくりを進めてまいります。
さて、令和8年は、今月開催された冬季オリンピックを皮切りに、3月にワールドベースボールクラシック、6月にFIFAワールドカップが開催され、世界中の人々がアスリートたちの挑戦に胸を躍らせ、国境を越えた一体感に包まれる年となります。本市においても、この世界的な飛躍と挑戦を機運と捉え、未来への確かな希望を市民や市議会の皆様と共に創り上げるべく、市政運営に邁進してまいる所存です。その実現に向けて、新年度は特に、ひうち地先の廃棄物処理用地への企業誘致による経済活性化、市立周桑病院等における医師確保や救急医療の強化・経営改善、そして小中学校の再編について着実に道筋をつけていくことに注力いたします。これらの施策を強力に推し進めることで、市民の皆様が健やかで安全・安心に暮らせる社会基盤を築いてまいります。
令和8年度予算編成の概要
それでは、具体的に、令和8年度の予算編成の概要につきまして、ご説明申し上げます。
まず、新年度における財政環境でありますが、市税収入につきましては、固定資産税の減収等が見込まれるものの、個人市民税、法人市民税等が増収見込みとなるなど、市税全体の当初予算額は、合併以降最大の172億397万6千円となっております。
一方、歳出につきましては、物件費や投資的経費等が減少となったものの、人件費、扶助費、公債費からなる義務的経費が、合併以降最大値となったことに加え、老朽化する施設の維持補修費、民間の賃上げや物価高騰による各種経費が増加するなど、依然として増加する財政負担への対応が求められております。
このような中、令和8年度の予算編成に当たっては、物価高騰に対する市民生活や企業活動等の下支えに加え、「第3期西条市総合計画」に掲げる施策の着実な推進を図るなど、限られた財源を最大限有効に活用することを念頭に置きながら、予算編成を行いました。
その結果、新年度の当初予算案は、一般会計で508億1,000万円となり、これを令和7年度当初予算と比較しますと、金額で3億7,000万円、率にして0.7%上回る規模となりました。
また、特別会計全体の予算規模は261億5,094万6千円で、企業会計は70億4,402万7千円となり、一般会計と合わせた全会計では840億497万3千円となり、これを令和7年度当初予算と比較しますと、金額で10億6,917万1千円、率にして1.3%下回る規模となっております。
組織改編と推進体制の強化
こうした方針の下、新年度に掲げる各種施策をより一層力強く、そして効果的に推進するため、新年度に組織改編を行うことといたしました。今回の組織改編は、本市の最上位計画であります総合計画に掲げる各種政策や施策を、着実に推進できる体制を確保することを目的としております。関連の深い課を集約し、同一部内に配置することで、連携が取りやすい体制を構築し、各種施策の着実な推進に寄与するとともに、業務プロセスの見直しや部署間の連携強化による業務の効率化、生産性の向上、ひいては職員の資質向上にもつなげてまいります。
令和8年度の主要事業
それでは、新年度の主要事業につきまして、まちづくりの基本目標である施策の大綱に沿ってご説明申し上げます。
健やかに生き生きと暮らせる福祉のまちづくり
第1点目は、健やかに生き生きと暮らせる福祉のまちづくりであります。
「子ども・子育て支援の充実」につきましては、全ての子育て家庭に対して、多様な働き方やライフスタイルにかかわらない形での支援を強化するため、就労要件を問わず、時間単位等で柔軟に通園できる「こども誰でも通園制度」を実施してまいります。また、医療的ケアを必要とするこどもの受入体制の整備を推進するため、保育所等における看護師の配置や、保育士の研修受講等への支援を実施してまいります。さらに、これまで任意受診で全額自己負担であった生後1か月児の健康診査について、新年度から公費で負担することにより、経済的負担の軽減と専門家のサポートを通じて、疾病の早期発見や保護者の不安解消を図り、安心して子育てができる切れ目のない支援体制を構築してまいります。
「健康づくり・医療体制の充実」につきましては、健幸アンバサダーによる幅広い年齢層へのアプローチに加え、女性が心身ともに健康で、いきいきと自分らしく活躍できるまちの実現を目指し、「女性の健幸応援プロジェクト」を推進してまいります。市民モニター「SAIJOみゅーず」と協働制作したポータルサイトの充実や中学校でのモデル事業、プレコンセプションケア等の施策を展開し、幸せあふれるまちづくりと第3次西条市健康づくり計画の推進を図ってまいります。
また、本市における医師の高齢化や偏在による外科医不足の深刻化に対応するため、愛媛大学に「地域先進消化器外科学講座」を新たに開設いたします。本事業を通じて、医師の育成と定着を促進し、外科診療体制の強化を図るとともに、市立周桑病院の診療支援も併せて行うことにより、市民が安心して質の高い医療を受けられる体制の確立を目指してまいります。
「福祉の充実」につきましては、既存の相談支援機能を集約し、自立相談支援センターとも連携して包括的な相談体制を構築するために、新たに「基幹相談支援センター」を設置することにより、本市の障がい者に対する相談支援機能の強化を図ってまいります。
豊かな自然と共生するまちづくり
第2点目は、豊かな自然と共生するまちづくりであります。
「自然環境の保全」につきましては、昨年3月に策定した「西条市地球温暖化対策実行計画」に基づき、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボンシティ」の実現に向け、環境省の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」を活用し、住宅や事業所における再エネ関連設備の導入を促進するなど、脱炭素化への取組を着実に進めてまいります。また、省エネ性能に優れた家電製品を購入した市民に対し、費用の一部をLOVESAIJOポイントで支援することにより、家庭における省エネ促進とエネルギー費用負担の軽減を図ってまいります。
「水資源の保全」につきましては、かけがえのない水資源を守り育むため、市民や農林水産関係団体、市内事業者等との連携の要である『西条市地下水保全協議会』において、『地域公水』の理念の下、私たちが直面する課題解決に向けた具体的な方策を引き続き協議してまいります。また、地下水の動態を適切に把握するための継続したモニタリングを実施するとともに、地下水の採取等に関し必要な規制を行うことにより、市民が安心して暮らすことのできる持続可能な地下水の保全に努めてまいります。
「循環型社会・衛生美化の推進」につきましては、西条市道前クリーンセンターの供用期間が令和16年度末となっていることから、ごみ処理の広域化と集約化について効果と課題を整理するため、次期ごみ処理施設整備に向けた基本構想等の策定を進めてまいります。
快適な都市基盤のまちづくり
第3点目は、快適な都市基盤のまちづくりであります。
「交通体系の整備」につきましては、南海トラフ巨大地震等の大規模災害に対応するために、2次緊急輸送道路、避難路、広域防災拠点へのアクセス路に架かる橋りょうのうち、甚大な被害を及ぼすことが想定される橋りょうについて、優先的に耐震補強を引き続き行ってまいります。
「都市基盤の整備」につきましては、県が実施する廃棄物処理用地の整備に併せて、下水道と上水道の計画整備を進めることにより、先端成長産業分野等企業の立地を促進し、地域経済の活性化を図ってまいります。
「住宅・宅地の整備」につきましては、増加する空家に対応するため、民間の専門事業者及びデジタル技術を活用し、更なる対策の強化を図ってまいります。
災害に強く安全で安心して暮らせるまちづくり
第4点目は、災害に強く安全で安心して暮らせるまちづくりであります。
「防災・減災対策の強化」につきましては、市民の生命・身体・財産を火災等から守り、被害の軽減を図るとともに、南海トラフ巨大地震等の大規模災害時に迅速かつ的確な対応を行うために、消防車両等の更新を引き続き進めてまいります。また、本市、新居浜市及び四国中央市の東予東部3市による消防指令センターにおいて、令和10年度末からの共同運用の開始に向け、施設整備等の協議を引き続き進めてまいります。
ふるさとを愛する豊かな心を育む教育・文化のまちづくり
第5点目は、ふるさとを愛する豊かな心を育む教育・文化のまちづくりであります。
「学校教育の充実」につきましては、老朽化の進行が見られる学校施設の耐震・劣化箇所の改善を実施し、躯体健全化を確保することにより、安全で安心な学校施設運営を継続するとともに、小中学校体育館の水銀灯につきましても、LED照明器具への取替を順次進めることで、各体育館の機能性・メンテナンス性の向上を図ってまいります。また、小中学校の不登校対策に特化した支援員を配置し、教職員や関係機関等と連携しながら、個々の児童生徒の状況に応じた支援を行うことにより、不登校の未然防止や早期支援に加え、児童生徒一人ひとりが自分の居場所を見つけ、豊かに生きていける環境づくりを目指してまいります。さらに、物価高騰の影響における子育て支援施策として、国が進める小学校学校給食費の負担軽減措置に加え、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用して、学校給食費における小中学校の保護者負担分に対する助成を行うことにより、栄養バランスの取れた魅力ある学校給食を提供してまいります。
「歴史文化の保全と活用」につきましては、本市出身で「栄養学の父」と称される佐伯矩先生の生誕150周年を記念し、シンポジウムを開催することにより、その偉大な功績を広く顕彰するとともに、市民の健康増進への意識高揚を図ってまいります。
「人権・同和教育の推進」につきましては、あらゆる差別や偏見を許さず、誰もが互いの違いを認め合い、支え合う「共生社会」の実現のために、市民一人ひとりの人権意識をさらに高める多様な学習機会を提供するとともに、継続的な啓発活動を展開することで、人権文化が社会の隅々にまで息づく、明るく希望に満ちた西条市の実現を目指してまいります。
活力あふれる産業振興のまちづくり
第6点目は、活力あふれる産業振興のまちづくりであります。
「農業の振興」につきましては、国が新たに策定した「食料・農業・農村基本計画」に基づき、担い手への農地集積やスマート農業の推進など、農業者や地域のニーズに応じたきめ細やかな支援を引き続き実施することで、農家所得の向上に向けた取組を行ってまいります。
「林業の振興」につきましては、林業の持続的発展及び森林の有する多面的機能の発揮に資することを目的として、森林経営管理法に基づき、管理が行われていない森林の整備を実施するとともに、増加する野生鳥獣による農林作物等の被害に対しても対策を講じてまいります。
「水産業の振興」につきましては、本市水産物の安定的な供給や、それに伴う漁業者の安定・継続を図るため、種苗放流を継続して実施するとともに、新規漁業就業者の創出とその定着促進を目指し、漁船燃料代等の支援を行ってまいります。
「企業活動の活性化」につきましては、コーディネーターの設置や専門家等とのネットワークにより企業支援体制を構築する(株)西条産業情報支援センターと連携し、DX・GXの推進を図る中小企業を積極的に支援することで、地域企業の競争力強化に努めてまいります。また、関係機関等と協力してDX人材を育成することや、(株)西条産業情報支援センターに設置する「まちの人事部」の取組を通じて多様な人材活用を促進することにより、産業人材の育成・確保につなげてまいります。こうした中小企業への支援や起業家の発掘・養成に至るまで、企業の成長段階に応じたきめ細かな支援を展開することで、地域産業における「稼ぐ力」の強化につなげ、持続的な成長・発展を目指してまいります。さらに、エネルギー価格や原材料費等の物価高騰の影響を受けている市内中小企業者に対し、生産性向上に資する設備導入費の一部を助成することにより、経営基盤の強化及び地域経済の活性化を図りながら、国が進める賃金引上げ政策の趣旨を踏まえ、賃金の引き上げに取り組む企業に対しても支援を行ってまいります。
「観光産業の創出」につきましては、松山市、今治市、上島町と広域で連携し、「しまなみ広域サイクルツーリズム圏域形成促進事業」を引き続き推進してまいります。令和9年5月には、日本初開催の世界最大級の自転車国際会議「Velо-city(ベロ シティ)」が本県で開催されるという絶好の機会を捉え、新年度は県が中心となり、欧州からのサイクリスト誘客を最重点戦略と位置付けて、集中的な取組を展開していくと聞いております。この取組を通じて、サイクリストを確実に本市へと誘導し、滞在時間を延ばすことで、宿泊、飲食、物販など、市内経済への幅広い波及効果を創出することにより、交流人口や関係人口の拡大につなげてまいりたいと考えております。
構想の実現に向けて
これら6つの基本目標を達成し、基本構想を実現するためには、山積する地域の課題解決に向けた取組を進めていく必要があります。
「協働によるまちづくりの推進」につきましては、人口減少や少子高齢化が進む中において、持続可能な地域コミュニティを構築するために、自治組織が行うコミュニティ育成のための施設整備や必要な取組に対しての支援を引き続き行ってまいります。
「人口減少対策とシティプロモーションの推進」につきましては、新たな切り口として「ロケツーリズム」によるシティプロモーションに着手し、更なる移住・定住者の獲得のほか、ふるさと納税の増収や観光誘客、またシビックプライドの醸成に努めてまいります。また、引き続き大都市圏から移住者を獲得するため、移住セミナーにおいて就職相談を実施するとともに、移住フルサポート機能として設置している移住コンシェルジュにより、仕事や住まいだけでなく、交流により人とつなげることで、移住者と地域とのコミュニティやネットワークづくりなどのきめ細やかな移住支援に努めてまいります。
「行財政運営の推進」につきましては、自宅等からいつでも申請手続ができるようオンライン化を推進するとともに、窓口での手続についても業務フローの見直し等を進め、将来的な窓口支援システム導入も見据えながら、市民サービス向上と事務効率化を引き続き取り組んでまいります。また、物価高騰対策として、全市民を対象とした「お買い物カード」の配布と、LOVESAIJOポイントの還元事業を一体的に展開し、市民生活への即効性ある支援と地域経済の持続的な活性化を同時に実現することで、地域内における経済の好循環を力強く後押ししてまいります。
健やかで幸せあふれる西条へ
以上、新年度の市政運営につきまして、私の所信の一端を申し上げました。今後は、これらの政策を着実に実行していくに当たり、議員の皆様との対話を一層密にし、職員一丸となって取り組んでまいります。そして、山積する課題に真摯に向き合い、市民の皆様とともに喜びを分かち合いながら、健やかで幸せあふれる西条の実現に向け、粉骨砕身の覚悟で一層努力してまいる所存です。
議員の皆様方をはじめ、市民の皆様方の温かいご理解と、一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。

