本好き集まれ|大好きな本の話をしよう

(角川文庫 森見 登美彦「夜は短し歩けよ乙女」より引用)
新時代のとびらを開く、恋愛ファンタジーの大傑作。
黒髪の乙女にひそかに想いを寄せる先輩は、京都のいたるところで彼女の姿を追い求めた。二人を待ち受ける珍事件の数々、そして運命の大転回。山本周五郎賞受賞、本屋大賞2位、恋愛ファンタジーの大傑作!
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※この記事は2026年9月の情報です。
まいぷれ編集部の隣人E。最近は本を読む時間がなかなかとれず、積読が増えています。ファンタジー、ミステリー、絵本と猫も好き。
森見登美彦さんのお名前は知っていましたが、作品を手に取ったことはありませんでした。
知人より『四畳半神話大系』を薦められ、昭和から平成にかけての京都が舞台かと思い読み進めると、変わった人たちが登場し、奇妙なことが次々と起こります。
現実世界であるような空想の世界にいるような不思議な読後感を持ち、次に読んだのが『夜は短し歩けよ乙女』です。
『四畳半神話大系』と通じる世界観です。
社会人になって忘れかけていた、第三者から見れば無駄に思える若者の悩みや、嬉しい時の必要以上の弾け方を、クスッとなりながら読み進めました。
大学生、いいな。楽しそう!と思いました。伊坂幸太郎さんの『砂漠』を読んだときにも、大学生に憧れをもちましたが、また違う雰囲気の本です。
黒髪の乙女を想う先輩は、「ナカメ作戦」を実行します。
「ナカメ作戦」と聞いてどんなことを想像しますか?
どこかの場所「ナカメ」、もしくは「ナカメさん」に協力してもらい黒髪の乙女と仲良くなれる作戦かなと思っていましたが、「ナ=なるべく カ=彼女の メ=目にとまる作戦」でした。
今のようにスマホで簡単につながるのではなく、「偶然会う」ことを装うために右往左往する先輩の健気な頑張りを応援したくなりました。
こんなに頑張っている先輩に、あらゆるところで出会う黒髪の乙女は「奇遇ですねえ」という言葉で対応します。「先輩、ファイト!」と声を掛けたくなります。
黒髪の乙女の姿で印象に残っているのは、学園祭で乙女が大きな緋鯉のぬいぐるみを背負ってずんずん歩くシーンです。
「緋鯉のぬいぐるみ」だけでもインパクトがあります。
それを女子大学生が「背負って歩く」姿を想像するとシュールです。
でも乙女本人は威風堂々と校内を歩きます。個性的な人たちと奇妙なことが次々と起こるのに、少しも動じず受け入れている乙女の懐の広さが素敵だなと思います。
「ご一緒しても良いですか?」と声を掛けたくなります。先輩同様、私も乙女のファンになりそうです。
京都大学を舞台にしたお話ですが、本当に登場人物のような人たちが存在するのかは別として、なんだか愉快な環境だなと思いました。
こんな青春時代を過ごした方たちは、どんな大人になるのか非常に気になります。
受験生のみなさん、志望校に入学後のイメージを膨らませて受験勉強を頑張ってみてはいかがでしょうか。自分が登場人物だったらと、大学生活を思い浮かべながら読むのも楽しい1冊です。
普段の生活で少し疲れた時、陽気で不思議な世界観に浸りたくて森見さんの作品を選んでいました。
『ペンギン・ハイウェイ』『宵山万華鏡』『新釈 走れメロス 他四篇』『太陽の塔』なども読み、明るい雰囲気の物語が多いのかと思っていましたが...『夜行』は違いました。
同じ作者のこれまでとは異なる雰囲気の本に出合うとドキッとしませんか?他にも違う一面の作品がありそうなので、また他の作品も読み進めていきたいと思います。
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