地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、西条の地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

西条の地域情報サイト「まいぷれ」西条市

ジェット三郎の『映画&ドラマ&家電のちょっとウンチクよもやま話』

国連ってなんだよっ! 「国連」の英語表記が、第二次世界大戦中の「連合国(戦勝国)」と同じと知った衝撃

テレビ業界で裏方30年のジェット三郎が語るよもやま話! 今回は特別編、『国連ってなんだよっ! 「国連」の英語表記が、第二次世界大戦中の「連合国」と同じと知った衝撃』について語ります!


「国連」について調べていたら、驚きの事実を知ってしまった! 

ていうか、みなさん知ってましたか? それとも僕が無知なだけ?

 

【国連とは、世界を取りまとめる「世界の政府」みたいなもの】

と、僕は子供の頃から、ずっとそう思い込んでいた。

 

SF小説の古典であり、今なお最高傑作であり続ける「幼年期の終わり」(アーサー・C・クラーク)では、突如、世界各国の大都市上空に現れた巨大な宇宙船に乗ってやってきたオーバーロードの導きによって、世界中の「国」という既存のシステムは、なし崩し的に崩壊。その後、国連の事務総長が世界の代表者として、宇宙人(オーバーロード)と交渉を重ねていくシーンが繰り返し描かれていた。

 

余談になるが、僕には、SFと漫画好きな兄が2人いるせいで、幼稚園に上がる前から、相当数のSF作品群に慣れ親しんでおり、自慢じゃないが、僕がひらがなと漢字を覚えたのは、手塚治虫の漫画と筒井康隆のSF小説からである。ついでに言えば、性に目覚めたのも、手塚治虫の「やけっぱちのマリア」と筒井康隆の「郵性省」である。後年、憧れの筒井康隆さんご本人とお仕事をご一緒させていただいた際、「僕のヰタ・セクスアリスは、筒井さんの『郵性省』です」と宣言したら、筒井さんは思わず飲んでいたお水を噴き出して、「そりゃあ、君の人生を狂わせちゃったね」と爆笑されていた。

 

そういう幼少期を過ごしていたせいもあるのだろう。

創作物に描かれている「国連」が結構、世界を取りまとめる強いイメージを持っていることを真に受け、僕は、中年オヤジになった今でも、「国連」って、世界政府的な、ものすごい組織なんだろうなぁ、なんて漠然と思いこんでいた。

 

ところが。

 

今回、ちょっとしたSF作品を構築することになり、その流れで、作品の中に「国連」を登場させることになり、詳しく調べることにした。

 

そして今回の表題にある、驚きの事実を知ってしまったのだ。

 

国連(国際連合)の英語表記は、United Nationsであり、第二次世界大戦中の連合国(戦勝国)と同じであると。

国連の歴史

先に断っておくが、僕は俗に言う『ミギ』でもないし『ヒダリ』でもない。ネトウヨは好きじゃないけど、彼らの意見を丸々無視することもしなければ、だからといって、政府批判ばかりする特定のマスコミも好きじゃないけど、ちゃんと視聴しては彼らの意見もチェックする。そういう僕みたいなスタンスの日本人は意外と多いんじゃないかなと思ってる。

国連のベースとなった組織創設は、第二次世界大戦中の結構早い時期だった!

 

詳しくは、Wikipediaでもなんでも調べてもらうとして、僕が調べた中でざっくり言うと、

 

1、言うまでもなく、第二次世界大戦とは、枢軸国(日本・ドイツ・イタリア、およびそれらの国の影響によって成立した国)と、連合国(United Nations)との世界的な戦争を指す。

 

2、連合国は、第二次世界大戦中、どんどん加盟国を増やし続け、終戦時の世界地図で見る分布図では、世界の9割近くが連合国になっていた。

 

3、国連の創設自体は、第二次世界大戦終了後の、1945年10月24日となっているが、実は、そのずいぶん前の1943年3月には、アメリカ国務省が主導権を握る形で、「国際機構憲章草案 (Draft Constitution of International Organization)」という設立趣意書が完成。その後、1943年8月に、後に「国連の父」と称されることになる当時のアメリカ合衆国・国務長官のコーデル・ハルによって、「国際連合憲章 (The Charter of the United Nations)」の草案が完成している。

 

この後も、連合国の中での覇権争い(特に、アメリカとソ連)があったり、なんだかんだあったりしたようだが、(詳しくは、Googleで『国連 成り立ち』とかで検索すると大量に出てくるので、それを調べてください!)

 

世界史に疎いこの僕が、独断と偏見もふまえて一言で言っちゃうと、

 

国連は、連合国主導で作られた終戦後の新しい平和社会の組織、というより、枢軸国の戦後処理の話し合いをする場として組織された

 

ということに尽きると思う。

 

今でも残る『敵国条項』

国連は、そもそもが、枢軸国(日本・ドイツ・イタリア)の戦後処理のために作られた組織である決定的証拠が今なお、国連の憲法である『国連憲章』にハッキリと残っている。

 

それが『敵国条項』である。

 

『敵国条項』とは、一言で言うと、『戦争に負けたお前たちは、未来永劫、負け犬なんだから、偉そうにするなよ! 俺たち戦勝国と対等になんかなれっこないし、そんな権利はハナからないからな!』というルールを書いたもの。

 

国際連合憲章の条文第53条、第77条、第107条に記されている『敵国条項』について、少し長いし、読みにくいが、とっても大切な部分なので、以下にそのまま引用し、記す。

 

敵国条項(国際連盟憲章より抜粋)

 

第53条

1 安全保障理事会は、その権威の下における強制行動のために、適当な場合には、前記の地域的取極または地域的機関を利用する。但し、いかなる強制行動も、安全保障理事会の許可がなければ、地域的取極に基いて又は地域的機関によってとられてはならない。もっとも、本条2に定める敵国のいずれかに対する措置で、第107条に従って規定されるもの又はこの敵国における侵略政策の再現に備える地域的取極において規定されるものは、関係政府の要請に基いてこの機構がこの敵国による新たな侵略を防止する責任を負うときまで例外とする。

 

本条1で用いる敵国という語は、第二次世界戦争中にこの憲章のいずれかの署名国の敵国であった国に適用される。

 

第77条 信託統治制度は、次の種類の地域で信託統治協定によってこの制度の下におかれるものに適用する。

B 第二次世界大戦の結果として敵国から分離される地域

 

第107条 この憲章のいかなる規定も、第二次世界大戦中にこの憲章の署名国の敵であった国に関する行動でその行動について責任を有する政府がこの戦争の結果としてとり又は許可したものを無効にし、又は排除するものではない。

 

(「敵国条項」の日本版Wikipediaより引用)

つまりは、戦後70年以上経った今でも、日本とドイツとイタリア(枢軸国)は敵国扱いである

 

国際連盟憲章にある『敵国条項』を読めば読むほど、敵国に指定された日本・ドイツ・イタリアの旧枢軸国は、いつまで経っても信用されない『ならず者国家』のようだ。

 

その『ならず者国家』が、未来に国連の加盟国に悪さしようものなら、通常の武力行使の前には必ず行われなければならない『安保理決議』とか『国連総会』との決議を待つこともなく、「それみたことか! やっぱり悪さをしやがった! すぐに成敗してくれるぞ!」とばかりに、アメリカやロシアや中国が、日本に爆弾をドンドコ落とし、日本人をバンバン殺してもいいというルールになっているのだ。

 

ウソだと思うなら、しっかり国連憲章を調べてみるといい。あまりの一方的なルールに、開いた口が塞がりません。

 

そんな不平等条約をずーっと放っておくほど、我が日本政府もバカじゃない。

戦後70年。当然、歴代の日本政府は、事あるごとに、『国連憲章の中の「敵国条項」を廃止してほしい』とお願いし続けている。

 

ある時などは、国連総会で、ほとんど大多数の加盟国が「そうだよね。日本もドイツも、いっぱいいっぱい、国連にお金出してくれているし、ODAとかでたくさん発展途上国を支援もしてくれている。もう、そろそろ許してあげてもいいよね」と賛成多数で、「敵国条項」の廃止が決まったにもかかわらず、安全保障理事会常任理事国という名の、連合国メインメンバー(アメリカ・ロシア・イギリス・中国・フランスの五ヶ国)の誰かが「いやいやいや。まだまだ信用ならないよ」と言い出して、結局、その時の国連総会の決議はうやむやになったまま今に至る有様である。

 

そもそも、United Nationsは「連合国=戦勝国」という言葉です

日本人なら、かつて、何度か大きな話題になったことがあるので、記憶している人もいると思う。

【日本が、国連の安全保障理事会常任理事国に選んでほしいって何度も立候補したけど、何度も落ちちゃった】というニュースを

 

このニュースを見た当時の日本人は、

「経済発展を遂げた日本も、そろそろ認めてくれてもいいんじゃないか。まだまだなのか?」

「いっぱい国連にお金出しているんだから、常任理事国になってしかるべきだ」

「もっとお金を出せとでも言うのか?」

なんて不満を抱いていた様子。

 

でも、そんな不満とか感想とか、国連の成り立ちをしっかりと調べてみると、全く話の論点がズレていることに気づかされる。

 

今の僕なら、声を大にして、ハッキリ言い切ることができる。

『無理無理無理。絶対に無理。だって、国連は、戦中に作られた「United Nations」のままである。つまり連合国(戦勝国)の集まりであり、日本とドイツとイタリアが加盟しているのは、「敗戦国」側として、お情けで参加を認められている状態のままなんだから、100年経っても200年経っても、常任理事国になることはありえない』

と。

 

僕みたいな無知な大人ではなく、少しだけ世界史を勉強した日本人でも、第二次世界大戦中に作られた「連合国(戦勝国)」っていう組織が、戦後に「国連」という名前に変わったと認識しているのだと思う。

 

でも、どうやら違うみたいなんですよね。

 

 

知り合いのアメリカ人Jackに、拙い英語で、昨晩Facebookで質問をした。

 

質問内容はズバリ、『なんでアメリカは、国連という組織に、「United Nations」という過去の「連合国」という名称を使い続けているのか』というもの。

 

その回答がとても明快で、ある意味、あまりに簡潔しすぎて、清々しいほどだったので、その英語の回答のまま、ここに載せる。

 

Jack.Dの回答

『I’m not sure what you mean. (あなたが言っていることがわかりません)』

『United Nations is same now and past.(United Nationsは、今も昔も同じだよ)』

 

つまり世界各国の人たちは、第二次世界大戦中から戦後にかけて、名前が変わったという認識を持っていないということなのだ。

 

とどのつまり、世界中で日本人ぐらいなものなのだ。「国連」は、戦後に作られた平和のための団体であり、加盟国はみんな平等だと思いこんでいるのは。

 

他の国々は最初っから知っているのだ。「国連」なんてものは「連合国(=戦勝国)」のままの集まりであると。(「国連=戦勝国連合」と断定している歴史学者も複数存在する)

 

そりゃあ、国連の安全保障理事会常任理事国に何度も何度も立候補し続けても、何度も何度も落ちるわけだよ。

 

そもそもの国連という組織は、「連合国=戦勝国」の集まりなんだもん。(「国際連合」なんて、なんだか平和っぽい訳をつけて国民をだまくらかしているのは日本ぐらいだ)

 

そこに、負けた国がお情けで入れてもらった恩を忘れ、「僕、そろそろ、運営のトップ集団に入りたいんです」って言い出したら、勝った国の人たちもビックリしているのかもしれない。

 

「おいおい。日本のヤツ、この集まりが、戦勝国の集まりだってこと、すっかり忘れちゃったのかな? 負けた国が勝った国のリーダーになれるわけないじゃん。こりゃあ、お笑いだぜ。HAHAHAHA」

って、毎回、笑われているのかもしれない。

 

名前の大切さは日本人が一番よく知っている

 

時々、芸能人の名前の改名騒動が巷で盛り上がる。

 

古くは、「加勢大周」と「新・加勢大周」、だったり、最近では、「能年玲奈」と「のん」、だったりする。

これらは、事務所の移籍問題で名前を変えざるをえなかった騒動だ。(厳密に言うと、「新・加勢大周」は騒動というより、マッチポンプ的ドタバタ劇ではあるが)

 

逆に、総合スーパーの「ジャスコ」が「イオン」になったのは、経営母体は変わらないけど、名前を変えることで、新たなるステップアップを願って、の改名だったりする。

 

ところがどうだ。

「United Nations」は、改名なんてしていないのだ。

「連合国」(United Nations)は、そのまま、今も、「連合国」なのだ。

日本ぐらいなものなのだ。連合国(戦勝国)に、「国際連合」なんていう別の言葉を作って、改名したように見せかけているのは。

 

連合国の人たちの、明らかに「名前? 変える必要ねーし」という強い意思表示があったのだと思わざるを得ない。

 

では、どういう経緯で、「連合国=戦勝国連合」という意味の「United Nations」を「国際連合」などという、いかにも平和的な和訳をしたのかについては、様々な歴史学者がいろいろな仮説を立てているが、実のところ、定かではないようだ。

 

(僕が小学生だった昭和の時代、小学校の教師は無知な子供たちに、「第一次世界大戦後に戦争を起こさない事を目的に設立された『国際連盟』が上手く働かなかったので、第二次世界大戦後に『国際連合』に生まれ変わったのです」という、今から考えてみれば、大ウソも大ウソな間違った情報を平気で教え込んでいた!)

 

 

と、ここまで書いていて、だんだん虚しくなってきた。

 

ねえ、日本をコントロールしている政府のみなさん、本当に、このままでいいの? 

 

 


ジェット三郎:愛媛県生まれ。映画・テレビ業界の片隅で裏方稼業30年。主戦場はドラマ畑だが、時々情報・報道・バラエティー番組なども手掛ける。好きなお酒は芋焼酎のロック。

この記事に関するキーワード